昨日イギリスのブランド「
BTR Fabricaions」から今回も
Gravity Enduroのフレーム「
Ranger」が届きました。

Rangerはなんだかすっかり下り系なHTDHバイク的なイメージですが、
あくまで推奨フロントストロークは120mmの下りよりの里山ヒャッホイバイクですから

本当のHTDHは
BELTERです


楽しみにしててください。こいつもそのうち来ますので。
そしてイギリスのハンドメイドショーで展示された
ロー(ン)レンジャー。

上にラッカークリア塗装になるのと非常に溶接と塗装下準備にシビアになって8400円ぐらいのアップチャージになるけど。
この露骨な感じが好きな人。BTRはかなえてくれますので是非。
その前にRANGERオーナー見つけたら、とっ捕まえて乗ってみてください♪
話はそれからです。
そして長い遠征から帰ってきた我がRANGER。
レンタル先のお店、
PRIDEONEと
オガワサイクルのインプレをまとめ&抜粋したので
参考にどうぞ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
仕様
フレーム RANGER
サイズ M
フォーク 32TALAS150CTD-ADJ
Fタイヤ KENDA NEVEGAL26x2.35 DTC
Rタイヤ KENDA EL-MOCO26x2.35 STICK-E
フォーク120mmの時 HA64゜ HD40mm
フォーク150mmの時 HA63゜ HD35mm
(HA:ヘッドアングル HD:ハンガードロップ)「PRIDEONE」試乗した全員の意見としてはズバリ「乗りやすい」。私の場合は乗り始めの1本目
から(店長所有する)SHAN以上の全開走行しちゃえるぐらい。走り始めてすぐに、ああこりゃヤバイって。
スタート直後の高速セクションのコーナーへの進入がビシっと決まって、もうコーナー中
はもろ
オンザレール感覚。自分の狙ったラインをトレースするのが楽。ブレーキングもなぜか6インチローターの限界までついこなせるみたいで予想外に効いてこれまたびっくり。
SHANだと同じセクション、もうちょい後ろで乗らないと重心が前に持っていかれる感じだったのが
BTRだと車体の中心に乗ったままでハードブレーキングが可能でした。いやぁ、楽しくなちゃってね。SHANから浮気しそうでやばかった。あとはリア回り
の安定感が抜群。というかBBの低さが効いてるのか、固めのわりにはハネが落ち着く
のが早い。
シングルトラックの中のタイトなコーナーも意外や意外回ってくれる。まあ
それなりのハンドルの取り回しをする必要がありますが、すぐ慣れますね。120mmで
64度ってヘッドアングルなんですが、ずっと150mmの状態で乗り回してました。
FOXの34の160mmとかいっといたらもっといいかも。KBTさんやKSさんも自分の
バイクと比較しても乗りやすく安定感があるし、飛んでも怖くないというコメントが印象的
でした。特に
ハードテールの割りには29erに近い感覚のバランスで、あまりシビアな前後
の荷重コントロールが必要ないバイクです。不思議だわ。 いやぁ、
ハードテールのさら
なる可能性が見えた気がしました。
「オガワサイクル」結構長いです♪
【1stインプレッション(アスファルトにて)】
乗車した瞬間、ハンドルのさらに奥にフロントハブが見えることに大変違和感を感じる。
漕ぎ出しは、特にどうとも感じず。BBハイトが低めのせいかややねっとりした印象も。
立ち漕ぎで踏み込むとややハンドルリングに落ち着きのなさがあり、スタンディング・スティルでもフラつきやすい。
その代わり、サドルに腰を掛けた状態でのスタンディングの安定感は中々のものでした。なるほどこういうタイプなのか。
コーンを立ててバイクを寝かせてみるとこれが面白いほど、というか
気持ち悪いくらいバイクが寝る。
さっきとは打って変わって抜群の安定感。バイク寝かせてハンドルの端で350ccの空き缶弾けるではないでしょうか?(BBの低さと寝たヘッドアングルが効いているのでしょう)
【2ndインプレッション(トレイルにて)】
ゆるやかな登りはサクサク進む。勾配がややきつく荒れた路面もシッティングで行けばしっかり安定。
ただし、しんどくなってダンシングで登ろうとすると途端に落ち着きがなくなる。このバイクで前荷重の立ち漕ぎはどうやら鬼門のよう?
下りは、抜群の安定感。
普段フルサスでないと通らないようなラインでも平気で下れる。
ドロップオフを低速でじっくりとラインを選びながら走るのも、荒れた路面をハイスピードで走り抜ける時も無茶苦茶安定感があります。
ただし、BB位置が極端に低いのでコーナーや路面状況に合わせてしっかりとペダルスタンスを変えないとペダルや靴が路面や岩根っこといったギャップと接触しやすいです。
ウィップやバニーホップなどのアクションはやや不得手。できないわけではないもののどこかバイクとの一体感に欠ける感じがしました。
リアのバネ感はペダルの踏み込みでは硬めだけれどもギャップを越えた時にはしっかりとしなって衝撃を逃してくれている感じ。足の裏でそれがはっきりと感じ取れる。(テーパードのチェーンステイ、シートステイが効いている?)
【3rdインプレッション (トレイルカッター ガイドツアーにて)】
バンクを使ったハイスピードなコーナーも多いトレイルですが、兎に角これが気持ちいい。
バイクを寝かせないと全然曲がらないバイクですが、バイクが寝かせやすい。
寝かせた時の安定感があるのでガンガン攻められる。
ただしハンドルを切って曲がるようなスイッチバックは苦手。苦手というか、そういった場面でもこのバイクなりのコーナリングがあるのだと思いますが短い期間でしたのでそこまでは見つけられませんでした。
【総評】
身も蓋もない言い方をすれば、これは間違いなくDHバイクです。
DHバイクのハンドリングやスタビリティをハードテイルフレームに落としこむとこういう設計になるのかと大変驚きました。
下りは常に後輪荷重を意識。前輪荷重でぶいぶいとバイクを振り回すライディングスタイルの人にはおそらくマッチしないでしょう。
バイクコントロールの基礎が身についたレベルの人であれば驚くくらい速く下れると思います。
ただし、BBハイトの低さは諸刃の剣なので路面状況合わせて常にスタンスを変えないとペダル引っかかります。あるいはちょっと引っかかってもエイヤっと強引にクリアしてしまうくらいの図太さも要るかも? ペダルはボロボロになるでしょうが。あとバッシュガードは必須です。
そういう意味においてターゲットはバイクをしっかり寝かせられるようになった初級者、もしくは路面状況をしっかり把握しながらギャップを避けられる上級者向きでしょうか?
リアエンドがW135/φ12という今ではあまり使われない規格なのでこれがネックといえばネック。しかしw135/φ10、w142/φ12いずれでもこの乗り味は演出できないような気がします。それくらい絶妙なリア三角でした。ROCKSHOXのマスクルが使用可能らしいのでそちらに変更すれば車輪の着脱は幾分楽になるのでしょう。
フォークは今回は32フォークでしたがヘッドアングルとバイクの性格から考えればφ34〜36くらいのフォークでステアリングコラムはテーパードのものがよりマッチするのではないかと思います。こういったジオメトリを可能にした背景として、フォーク性能の進化は無視できないでしょう。フォークの剛性、ダンピング性能こそがこのジオメトリを可能にしたといって間違いないと思います。
120mmフォーク、HA64゜ HD40mmがこのバイクの基本のようですが、個人的にはフォークを150mmに設定した方がしっくり来ました。そういう意味においては可変フォークがこれほど効果を発揮するフレームも無いかもしれません。
やや辛口に書きましたが私個人の感想としてはこのバイクはライディングスタイルにとてもマッチして気に入りました。大げさに言えばハードテイルバイクの、
26インチホイールの新たな可能性を見せてくれたと思います。
他に比肩するものの無い、紛うことなきオンリーワン。他のハードテールバイクと比較して◯◯っぽい、◯◯異似ているという表現は一切できないでしょう。
ここまで大胆なジオメトリを打ち出したBTRという工房には称賛を惜しみません。
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以上、メリットもデメリットな感想も織り交ぜつつそれぞれの店長が感じた
このフレームでした。是非ご参考ください